意外に用途が広い!リン酸処理の必要性と消泡剤の役割


リン酸処理とは何かとその必要性

リン酸処理という言葉を知らない人は多いですが、現代では、リン酸処理は私たちの生活に欠かせないものとなっています。リン酸処理とは、金属の表面に科学的にリン酸塩と呼ばれる薄い皮膜を作ることを言います。リン酸処理の必要性は、金属の素材を保護したり、加工しやすくすることにあります。例えば、車の車体の金属部分にリン酸処理が施されていないと、湿気の多い日本では特に、さびなどが出やすく車の寿命を縮めてしまいます。また、車体に塗料を塗る場合でも、リン酸処理がされていれば、均等に塗ることができます。同様に、リン酸処理がされていない住宅建材を用いると、特に雨風の影響を受けやすい外壁や屋根部分は劣化が激しくなり、建物の耐久性に影響してしまいます。

リン酸処理で使用される消泡剤

リン酸処理で大切なのは、リン酸塩被膜をきれいにコーティングすることです。そのために使用されるのが、消泡剤です。消泡剤とは、読んで字のごとく、泡を消したり発生することを抑える化学物質のことを言います。リン酸処理は、金属の表面にリン酸が化学反応を起こすことで皮膜を作りますが、化学反応の過程で泡が発生し、金属と皮膜の間に空気の層ができてしまうことがあります。そのことを防ぐのが、消泡剤です。消泡剤には泡ができないようにする作用のものと、できてしまった泡を消す作用のものの2つのタイプがあります。さらに、耐熱性や耐薬品性の点で違いがある様々な種類の消泡剤が出されています。そのため、用途や安全性を考慮して、消泡剤を選ぶことが大切です。

リン酸処理は化学物質を扱うため人体に被害が出ないよう、保護具と換気を備えることが重要となります。運用するためには手順書も必要です。